記事一覧 / 2026年9月25日
Google翻訳ウィジェット(ウェブサイト翻訳ツール)が2026年10月1日に終了。GTranslate無料版への影響と乗り換え先
Googleのウェブサイト翻訳ツールが2026年10月1日でサポート終了。翻訳処理を同じGoogleの仕組みに頼るGTranslate無料版への影響、自分のサイトが該当するかの3分確認法、乗り換え先8サービスの比較(方式・価格・URLの変化)をまとめました。
執筆: ホンヤくん運営(MIKATA)
結論を先に。 Google の「ウェブサイト翻訳ツール」(Google Translate Website Translator。サイトに翻訳ボタンを出すウィジェット)は、2026年10月1日でサポートが終了します。そして、無料で広く使われている GTranslate 無料版も、翻訳の処理そのものは Google の同じ仕組みに依存しているため、10月1日以降も今までどおり動くかは Google 次第で、利用者側では判断も対処もできない状態です(2026年9月21日時点では動作しています)。
この記事では、①何が起きるのか、②自分のサイトが影響を受けるかを3分で確認する方法、③乗り換え先の比較、を順に説明します。先に確認方法だけ知りたい方は「自分のサイトが影響を受けるか確認する」へ。
この記事は、Web制作の現場で GTranslate を扱ってきた運営者が書いています。後半で自社サービス「ホンヤくん」も紹介しますが、目的別に他社サービスもそのまま勧めます。
何が起きるのか
Google は Search Central(ウェブ担当者向けの公式情報サイト)で、Website Translator のサポートを 2026年10月1日に終了すると告知しました(2026年9月1日更新)。今後の自動翻訳が必要なサイトには、有料の Cloud Translation API への移行を案内しています(Google Search Central の告知)。 告知の原文はこうです。
2026 年 9 月 1 日更新: 2026 年 10 月 1 日より、Google 翻訳のウェブサイト翻訳ウィジェットのサポートが終了します。継続的な自動翻訳が必要なサイト所有者は、Google Cloud API に移行できます。
このウィジェットは 2019 年にも一度「新規提供の停止」が発表されていますが、そのときは「すでに設置済みのサイトは影響なし」という一文があり、実際にその後も動き続けていました。今回の告知にはその一文がありません。 「設置済みでも止まる」前提で準備するのが安全です。

GTranslate 無料版はどうなるのか
「うちは Google のウィジェットではなく GTranslate を使っているから大丈夫」と思った方は、ここが重要です。
結論から言うと、GTranslate 無料版を使っているつもりでも、翻訳の処理を行っているのは Google のウェブサイト翻訳の仕組みでした。 そしてこの記事を書いている 2026年9月下旬の時点でも、その依存関係は続いています。
もう少し具体的に説明します。
- 9月上旬まで: 無料版(URL が変わらないタイプ)のスクリプトは、Google のウィジェット本体(
translate.google.com/translate_a/element.js)をページ内に読み込み、翻訳をそれに任せる作りでした(9月8日時点で確認)。GTranslate は言語ボタンの見た目と操作を提供し、翻訳そのものは Google のウィジェットが行っていた、という関係です。 - 9月下旬(本記事執筆時): 無料版のスクリプトは更新され、Google のウィジェット本体を読み込む代わりに、GTranslate 自身が配信するライブラリ(
lib.min.js)で翻訳を行うようになっています。ただし、そのライブラリの中身を見ると、翻訳リクエストの送り先は Google のウェブサイト翻訳ツールが使っているのと同じ Google のサーバー(translate-pa.googleapis.com) で、送信時の識別子もウェブサイト翻訳ツールと同じもの(te_lib)です。
つまり、見た目の仕組みは変わっても、翻訳の中身は引き続き「サポート終了が告知された Google のウェブサイト翻訳の基盤」に依存しています。 10月1日以降にこの基盤が止まれば GTranslate 無料版の翻訳も止まりますし、Google が止めなければ動き続けます。GTranslate は公式ブログ(英語・日本語、2026年9月6日)で Google ウィジェットの終了を取り上げていますが、無料版の今後については触れておらず、継続提供を前提に案内しています。現時点で確実に言えるのは「Google 次第であり、利用者側ではコントロールできない」ということです。10月1日を迎えてから慌てないよう、いま乗り換え先を決めておくことをおすすめします。
参考までに、該当箇所の抜粋です(2026年9月21日時点。API キーは伏せています)。
// cdn.gtranslate.net/widgets/latest/dropdown.js — 翻訳ライブラリの読み込み
function load_tlib(callback){ ... gt_translate_script.src='https://cdn.gtranslate.net/widgets/latest/lib.min.js'; ... }
window.doGTranslate = function(lang_pair){ ... load_tlib(function(){ __GT.translator.translate(source_lang,target_lang) }) }
// cdn.gtranslate.net/widgets/latest/lib.min.js — 翻訳リクエストの送り先(Google のウェブサイト翻訳と同じ基盤)
{ host: "translate-pa.googleapis.com", path: "/v1/translateHtml", headers: { "X-goog-api-key": "AIza…(省略)" } }
... "te_lib" ...
同じブログで GTranslate は、無料版は個人・教育・非営利・官公庁などの非商用サイト向けであることも明記しています。お店や会社のサイトで無料版を使い続けることは、動作以前に規約の面でもグレーです。
なお GTranslate の有料版は影響を受けません。有料版は Google のウィジェットを使わず、GTranslate 側のサーバーで翻訳したページを配信する別方式(言語ごとに URL が変わる方式)だからです。
自分のサイトが影響を受けるか確認する(3分)
サイトのトップページを PC のブラウザで開き、キーボードの Ctrl + U(Mac は Cmd + Option + U)でページのソースを表示します。Ctrl + F で次の文字を検索してください。
translate_a/element.jsが見つかる → Google のウィジェットを直接設置しています。10月1日で止まります。gtranslateが見つかる → GTranslate を使っています。次の「見分け方」へ。- どちらも無い → この件の影響はありません。
GTranslate の無料版と有料版の見分け方
言語を切り替えたときに、アドレスバーの URL が変わらなければ無料版(または無料相当の設定)です。en.example.com や example.com/en/ のように URL が変わるなら有料版で、影響はありません。
WordPress の場合は、管理画面の「プラグイン」に GTranslate があり、設定の「URL structure(URL構造)」が None なら無料版です。
Google のウィジェットを直接設置しているサイトは、iPhone ではすでに壊れています
もうひとつ、多くの方が気づいていない事実があります。Google のウィジェットを直接設置しているサイトは、iPhone の Safari で正しく動いていないことが多いのです。
理由は Safari の「トラッキング防止機能(ITP)」です。Safari は、サイトをまたいだ追跡に使われがちな Cookie や保存領域を厳しく制限します。Google のウィジェットは「どの言語を選んだか」を Cookie(googtrans)に保存して動く仕組みなので、この制限に引っかかると、言語を選んでも元に戻る・翻訳されない、という症状が出ます(Apple の WebKit ブログ: ITP 2.1・Full Third-Party Cookie Blocking and More)。
iPhone の実機で複数のサイトを確認したところ(2026年9月21日)、Google のウィジェットを直接設置したサイトは翻訳されず、一方で 9月下旬に更新された GTranslate 無料版は動作していました(新しい実装は Cookie を使わない作りに変わっています)。つまりこの症状は、いま Google のウィジェットを直接貼っているサイトの問題です。
日本はスマートフォンの iPhone 比率が高い国です。MMD研究所の 2026年8月の調査では iPhone が 45.6%(同年2月は 49.0%)で、10代・20代では iPhone が最も多く使われています(ケータイ Watch の報道)。つまり「無料で使えている」と思っていた翻訳ボタンは、実際には訪問者の4〜5割(iPhone ユーザー)に対して壊れていた可能性があります。PC で確認して「動いている」と判断していた方ほど、要注意です。
乗り換え先の比較
乗り換え先は大きく2種類に分かれます。
- A. 訪問者にその場で読んでもらうタイプ(URL は変わらない。)
- B. 翻訳ページを別の URL で持ち、海外の検索エンジンからの流入も狙うタイプ(
en.example.comexample.com/en等。)
| サービス | タイプ | URL | 対応サイト | 月額の目安 | 上限(何で制限されるか) | iPhone | 解約したら |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| GTranslate 有料 | B | 変わる | 全て | $12〜(2言語)/$25〜 | なし(語数・PV とも無制限) | ○ | 翻訳ページが消える |
| TranslatePress | B | /en/ | WordPress のみ | €99/年〜(+Google Cloud の設定が必要) | 付属 AI 翻訳の語数(5 万語。超過は自前の API キー) | ○ | 翻訳は自サイトに残る |
| Linguise | B | 変わる | WordPress/PHP 系 | $15〜 | 翻訳した語数(20 万語〜、プラン別) | ○ | 翻訳が消える |
| Weglot | B | 変わる | 全て | 約¥4,500〜(5言語) | 翻訳した語数(プラン別) | ○ | 消える |
| shutto翻訳 | A | 変わらない | 全て | 税込¥8,800〜 | 毎月の翻訳文字数(月 50 万字) | ○ | — |
| Autolingual | A | 変わらない | 全て | ¥4,000〜+初期費用15万円 | 月間 PV(超過すると元の言語で表示) | ○ | — |
| Google ウェブサイト翻訳(translate.goog) | — | 変わる | 全て | ¥0 | なし | ○ | — |
| ホンヤくん | A | 変わらない | 全て | ¥0〜/¥500〜(税抜) | サイトの原文の文章量(変更がなければ再カウントなし) | ○ | 解約後はタグを外すだけ |
※価格は 2026年9月時点の各社公式サイトより(GTranslate・TranslatePress・Linguise・Weglot・shutto翻訳/2026年3月の料金改定・Autolingual)。為替・改定で変わります。
補足
- TranslatePress は WordPress 専用ですが、翻訳データが自分のサイトの中に残るのが強みです。ただし自動翻訳に Google を使う場合は Google Cloud 側でクレジットカード登録などの設定が必要で、ここでつまずく方が多い印象です。
- Autolingual は「タグ1行」で最も手軽な部類ですが、プランごとに PV(アクセス数)の上限があり、超えると元の言語に戻ります。アクセスが伸びるほど翻訳が止まりやすい構造です。
- Google ウェブサイト翻訳(translate.goog) は Google の翻訳プロキシに飛ばすリンクを置く方法で、無料ですが URL が Google のものに変わり、問い合わせフォームやサイト内検索が不安定です。商用サイトの正式な選択肢とは言いにくいです。
目的別のおすすめ
- 海外の検索エンジンから集客したい(海外SEO)→ WordPress なら TranslatePress、それ以外なら GTranslate 有料か Weglot。翻訳ページが別 URL で検索エンジンに登録されます。
- 訪問者にその場で読んでもらえれば十分(店舗・宿・サロン・会社案内など)→ URL が変わらない A タイプ。予算が月数千円あれば shutto や Autolingual、月¥500 前後で済ませたいなら次に紹介するホンヤくんです。
- GTranslate 無料版が今は動いている方 → 慌てる必要はありません。ただし翻訳は Google の同じ基盤に依存していて、規約上は非商用限定です。お店や会社のサイトなら、動いているうちに「商用で正規に使える」製品へ計画的に移すことをおすすめします。
- とにかく無料で今すぐしのぎたい → Google ウェブサイト翻訳(translate.goog)へのリンク。ただし上記の制約を理解した上で。
正直に書くと、海外SEOが目的ならホンヤくんは向いていません。その場合は上の B タイプを選んでください。
ホンヤくん(10月提供開始予定)
ホンヤくんは、Google ウィジェットや GTranslate 無料版と同じ「タグを1行貼るだけ」の手軽さで、iPhone の Safari でも動くことを最優先に作ったサイト翻訳サービスです。
- iPhone で動く: Cookie を使わない設計なので、Safari のトラッキング防止の影響を受けません(iPhone 実機で確認済み)
- URL が変わらない: サイト内検索・お問い合わせフォーム・お気に入りがそのまま使えます。やめるときはタグを外すだけで、元のサイトは無傷です
- PV 無制限: 料金はアクセス数ではなく「文章の量」で決まります。アクセスが増えても翻訳は止まりません
- 月¥500 で英語・簡体字・繁体字・韓国語の4言語。2言語までの無料プランもあります
- 入力データは学習利用されません: 翻訳エンジンは有料契約の API を使い、お客様サイトの文章が AI の学習に使われることはありません
- 翻訳したくない箇所は
translate="no"を付けるだけで除外できます(店名・固有名詞など)
実際の動きは、こちらのデモサイトを開いて言語を切り替えてみてください。 → デモサイト
10月の提供開始時に、先行登録いただいた方から順にご案内します。 → 先行登録(無料)はこちら
よくある質問
Q. 10月1日を過ぎると、サイトの翻訳ボタンはどうなりますか?
A. 時期は不明ですが Google のウィジェットが止まった場合、ボタンが表示されなくなるか、押しても翻訳されず元の言語のまま表示される見込みです。サイト自体が壊れることはありません。
Q. GTranslate の有料版に切り替えれば大丈夫ですか?
A. はい。有料版は Google のウィジェットを使わない別方式なので影響を受けません。ただし言語ごとに URL が変わる方式になり、月 $12〜 の費用がかかります。
Q. WordPress ではないサイト(Wix・Jimdo・ペライチ・手作りの HTML)でも乗り換えられますか?
A. 「タグを1行貼るタイプ」(表の A タイプと GTranslate 有料・Weglot)は、HTML にタグを追加できるサイトなら使えます。TranslatePress など WordPress プラグインは WordPress 専用です。
Q. 今のうちに何をしておくべきですか?
A. ①上の方法で自分のサイトが該当するか確認 → ②目的(その場で読ませたい/海外SEOもしたい)に合う乗り換え先を選ぶ → ③9月中に設置して、iPhone で動作を確認。この3つです。
Q. 自動翻訳の品質は大丈夫ですか?
A. 現在の AI 翻訳は、お店や会社の案内文なら十分読める品質です。店名や固有名詞は翻訳対象から外す設定や、用語集で訳語を固定する機能で対応するのが一般的です。
出典・参考
- Google Search Central「Website Translator」に関する告知(2026年9月1日更新)
- GTranslate 公式ブログ「Google Translate Website Widget discontinued」(英語・日本語、2026年9月6日)
- GTranslate 配信スクリプト
cdn.gtranslate.net/widgets/latest/dropdown.js(2026年9月8日時点: element.js を読み込む実装/2026年9月21日時点: lib.min.js 経由で translate-pa.googleapis.com に送信する実装) - 各社料金ページ(2026年9月確認): GTranslate/TranslatePress/Linguise/Weglot/shutto翻訳/Autolingual
- Apple WebKit ブログ: Intelligent Tracking Prevention 2.1(2019年2月)、Full Third-Party Cookie Blocking and More(2020年3月)
- MMD研究所「2026年8月スマートフォンOSシェア調査」